仏壇の選び方
仏壇は一生に一回かもしれない買い物です。そして、長い間使っていただく大事なものです。仏様やご先祖様をつなぐ大切な場所であり、自分や家族の生活のそばにあり続けるものでもあります。長い目でみて選ばれることをお勧めします。仏壇店は、それぞれのお店によって様々な特徴をもっていますので、自分の求める仏壇やサービスなどの条件にしっかりと合うお店で良いアドバイスを受けてください。ここでは、仏壇をお選びいただく際のポイントを紹介します。
お店選びのポイント
長く使うものであり、高額でもあるお仏壇を購入する際には、購入するお店のアドバイスやアフターサービスが重要です。仏壇店は、お店によって取り扱う商品の質や種類が異なります。自分の要望を伝えられ、安心してサービスが受けられる良いお店を見つけるための4つのポイントを紹介します。
1. 相談に乗ってくれる
仏壇は高価なものです。納得いくまで質問に答えてくれ、要望に合わせた仏壇選びを手伝ってくれる信頼のおけるお店を見つけることが何よりも大切となります。
2. 産地や素材を明記している
仏壇も家具と同じく、産地やメーカー、材質・品質などを見て選ぶことが必須です。
仏壇の各商品に正確な情報が書かれている、あるいは店員さんが答えてくれることもポイントです。
3. アフターサービス
仏壇は長い年数使うものです。購入時には購入店のアフターサービスや保証がどのようなものか必ず確認するようにしてください。
4. 仏壇公正取引委員会
仏壇公正取引協議会は、安心して仏壇をお選びいただくために、適正な品質表示・原産国表示をすすめています。
加入仏壇店は店頭ステッカー表示を行っています。
仏壇の種類で選ぶ
仏壇の種類は、大きく分けて伝統的な形式で造られた伝統型仏壇と、現代の住宅に合わせて造られた家具調仏壇があります。また、伝統型仏壇はその素材や工法によって、金仏壇と唐木仏壇に分けられます。
唐木仏壇
唐木仏壇は、木材を加工・装飾して作られた趣のある仏壇です。金仏壇と違って金箔などの豪華な装飾があまりなく、その代わりに木目の美しさが生かされているのが特徴です。唐木とは、唐の時代の中国から輸入された銘木のことで、日本では産出されない木材のことを指していました。昔から大変貴重な木材で、正倉院や法隆寺宝物殿には唐木である紫檀でつくられた碁盤やすごろく盤が残されています。他に唐木仏壇には、黒檀・紫檀・鉄刀木(タガヤサン)などの唐木のほか、屋久杉・桑・欅などの素材も使われます。
唐木仏壇の特徴 | 格調が高い、強度が大きく耐久性に優れている、虫などの冒されにくい、乾燥性がよい、木質が緻密で木目が美しい、時を経るうちに気品が高まる |
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家具調仏壇
和室がない家が増え、現代住宅との共存を、徹底的に考えた新感覚あふれる仏壇も生まれています。新しい仏壇は新型仏壇、現代仏壇、家具調仏壇などと呼ばれ、デザインや素材もさまざまです。厳選された材料を使い、先進の技術と熟練工による手作りで、現代の日本人のために丁寧に作られた仏壇です。どんなスタイルの仏壇であれ、故人を偲び、先祖を供養する心に変わりはありません。お参りする人や、家族が気持ちよく接することのできる仏壇を選ぶことをおすすめします。
置く場所で選ぶ
仏壇を安置する場所をどこにするかで選ぶ仏壇も変わります。安置する場所の大きさだけでなく、仏間に置くのか、家具などの上に置くのかで仏壇のサイズやスタイルをお選びください。専門店では、伝統的なものから、現代の私たちの生活空間に合わせた都市型のものまで豊富な種類を揃えています。ご先祖様も常に、いま生きている家族とともに暮らしているという意味を込めて、お住まいの中でできるだけご家族の集まるような場所を選ぶのもよいでしょう。
ご安置する場所のサイズを測っておきましょう
その場所に応じた大きさのお仏壇をお求めください。仏間がある場合は、高さ・幅・奥行きを測り、収まる大きさの仏壇を選ぶようにしましょう。仏間が無い場合は、ご自宅の中のお参りしやすい場所で問題ありません。仏壇を安置する場所について分からないことがあれば、専門店に相談しましょう。
和室に置く
和室には「伝統型仏壇」がよく合いますが、「家具調仏壇」を合わせて、和とモダンを融合させた空間にすることも可能です。仏間に置くための「重ね型仏壇」、地袋付きの仏間に置くための「地袋型仏壇」、仏間がなくても家具や棚などの上に置くための「上置仏壇」の形式があります。床に正座してお参りするのか、椅子に座ったり、立ったりしてお参りするのかも考えておきましょう。長くお使いいただく中で、正座をしてお参りをするのがつらいため、椅子に座りながらお参りできる仏壇を選ぶといった選択肢もあります。
洋間に置く
洋間にお仏壇を置く場合も、現代の生活環境にマッチする仏壇をお選びいただけます。床に直接置く台付きのタイプのものと、家具や棚の上に置くタイプのものがあります。「家具調仏壇」と呼ばれる仏壇は、リビングルームや棚の上などお住まいの空間に自然と溶け込む、明るくすっきりとしたデザインが特徴です。もちろん伝統仏壇で洋間に合うものもありますので、じっくりと選びましょう。
よくあるご質問
Q . 仏壇はいつ購入すればいいですか?
仏壇を購入する時期に決まりはありません。身内の方が亡くなったときには、「四十九日」を迎え仮祭壇を取り除く際に、供養を行う場所が必要となるので、それまでにお求めになるのもよいでしょう。新築にお仏壇の導入を決めている場合は、仏間の大きさを決めてから選ぶようにしてください。
Q . 仏壇の種類は宗派に関係ありますか?
絶対にその形式の仏壇にしなければいけないといった決まりはありません。浄土真宗の中には金仏壇を推奨されている宗派もありますが、唐木仏壇や家具調仏壇を安置している方もいます。購入の際は念のため自分の宗派を確認し、疑問があればお寺に聞いてみてください。
Q . 仏壇のお手入れは難しいですか?
仏壇の種類や材質によりお手入れの方法は異なりますが、柔らかい布やはたき等を使用するとよいでしょう。金箔部分や細かな装飾部分は、布地で拭くと金箔が剥がれたり彫刻が欠ける可能性があるので毛ばたきで払い落とします。
Q . 仏壇の修理はできますか?
壊れ具合にもよりますが、修理できるものが多いです。特にしっかりと作られているものほど修復率が高く、材質が圧縮ボードの場合や、木目を印刷しただけの仏壇の場合は、修理できません。購入時にお店で確認しましょう。
Q . 国産のお仏壇は、海外産と何が違うのですか?
日本の職人が長い歴史を経て作った仏壇は、日本の気候・風土を考慮したつくりになっており耐久・耐湿性にも優れています。また、国内メーカーによるアフターサービスも充実していますので修理が可能なものが多いです。
Q . 購入前に調べておくことはありますか?
仏壇を安置する場所が決め、その場所の高さ・幅・奥行を測ります。特に仏間に納める場合には、仏間の内側の寸法を正確に測っておきましょう。仏壇の扉は観音開きで両側に開きますので、扉を折り畳んで左右に開くスペースが必要となります。また、自分の家の宗派を確認しておくことが必要です。
Q . 自分は無宗教ですがどうすればいいですか?
最近は、日常的に信仰を意識しない方が増えています。一方で、初詣やお墓参りなどは、大多数の方が行っています。信仰が変わっても、故人を偲ぶ供養の心や、ご先祖様への感謝の気持ちで、手を合わせ祈る行為は変わりません。最近は住宅やライフスタイルに合わせた仏壇が多数ありますので、無理のない範囲でお求めになってよいでしょう。
Q . 仏壇の価格はどのように決まるのですか?
主に使う木材の材質・品質や木材の量、製作時の手間のかけ方で決まります。仏壇はほとんど手造りなので、職人による技術の差が大きな違いとなります。
Q . 仏壇はどこに安置したらよいですか?
和室の場合は仏間や、床に安置してください。洋間の場合も、床の間や押入れの上部、棚やサイドボードなどの上に安置しても構いません。
Q . 仏壇はどの向きに安置したらよいですか?
仏壇を置く方角に吉凶はありません。直射日光や湿気、冷暖房の風が直接当たる場所を避け、お参りしやすい場所にしましょう。